権力者の庇護の元で、自分より優れている者を侮辱すること、安全な場所から自分より優れた者を侮辱すること。
「レルンの背中」は、安全な場所を意味する言葉で、レルンが生息する場所では概ね、どこでも同じ言葉がある。
ヴァルードは、巨大な牙と敏捷な動きで恐れられる大型の肉食獣だが、レルンはそのヴァルードでもまったく相手にならないほどの巨体を誇る草食獣で、人にもよくなつく。このため、レルンに乗ってさえいれば、ヴァルードなどの恐ろしい猛獣でも危険ではなくなることから。
訳注
レルン：陸上最大級の草食性動物。良質の毛が採れるため、古代から飼育されてきた。レルンとレムンは、極めて緊密な共生関係にあることでよく知られている。レムンがレルンの幼獣の世話をしてやったりする代わりに、レムンがヴァルードなどの天敵に襲われると徹底的に戦うため、この関係に関連した神話や民話、ことわざなどが多い。信頼関係を築けば人間もレムンと同様に守ってくれるため、「守護者」とも呼ばれる。
ヴァルード：巨大な牙と敏捷な動き、獰猛さで恐れられる大型の肉食獣。
参考文献
『生物種類別ことわざ辞典「レルン」』（ディレル・アーティ）
『生物種類別ことわざ辞典「ヴァルード」』（ディレル・アーティ）
『ニール族の言葉』（エアル・メレディー）
類義･対義
類義：「樹上でヴァルードを侮る」（ザヴァール族）
類義：「リナリー乗ってヴァルードからかう」（ニール族）
類義：「罵倒はレルンの背中から」（ガダカイ）
