ムーフィの尾むーふぃのお

一見、役立たずなように見えるが、実は非常に重要なもの、ことを指す。見かけによらずしたたかな人を表すのにも使う(「ムーフィの尾のような人だ」)。

ムーフィの尾は、とても大きく、動きの邪魔に見えるが、この尾こそが、ムーフィ類が世界中に分布するほどに発展するための「武器」となったのである。捕食されそうになると瞬時に尾を倍以上の大きさに膨らませて喉に詰まらせ(更にあの小さな脚で喉をくすぐる)、たまらず吐き出そうとする時には素早く戻して吐き出しやすくする、という実にユニーク且つ優れたこの仕組みにより、ムーフィを好んで捕食する生物はほとんどおらず、あらゆる生物の中でも最も成功したグループのひとつになったとされている。

面白いことに、「ムーフィの尾」は、おおむね、世界中でほぼ同じような意味で使われている。それだけ、優れた能力であると誰もが思うものなのだろう(そして、ムーフィが賢いようには見えないというイメージも)。

なお、歴史あるムーフィ愛好家ネットワークとして有名な組織の名は「ムーフィの尾」である。


訳注

ムーフィ:小型の草食動物。全身がフカフカの毛に覆われていることから、ケダマとも呼ばれる。攻撃性皆無と言っていいほどに、大人しい性質。捕食動物に捕まって飲み込まれそうになると、尾を瞬時に数倍の大きさに膨らませ、喉に詰まらせてたまらず吐き出させる、というユニーク且つ平和的な防御手段を持っていることから、この生態に関連した諺や格言が多い。毛の有用性などについて称えられる一方、(飼育下では特に)ほとんど何も気にしないような振る舞いに見えるため、良くも悪くも物事に無頓着であることの表現としてよくことわざや民話などで登場する。


参考文献

『生物種類別ことわざ辞典「ムーフィ」』(ディレル・アーティ)


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