どんなことにもチャンスを見出すこと。
意味はポジティヴだが、由来はかなりドス黒い。
はるか昔、レゴールの貧困家庭に生まれたザイド・ブラドゥーが、誰もが嫌がる、何の役にも立たないと思われていたグムーヴを、拷問用の道具(※2)として使うことを思い付き、管理込みで貴族に売ることを思い付き、それで財を成したことが由来。
金のためなら何でもする、の意で用いることもある。
訳注
グムーヴ:「この世で最も醜悪な生物」「不快さを詰め込んで造るとこうなるという見本」「人類を罰するために神が放った生物」などと言われるほどに、人間にとっては気持ちの悪い外見に、悪臭や毒棘などを併せ持つ大型の虫。身にも毒があるため、食用にも出来ず、農作物も荒らすため、とにかく、厄介な生物として忌避されてきた。一般的に、「醜さ」「厄介者」の代名詞のような存在として認識されている。
拷問用の道具:ルグディールオオトゲグムーヴなどを、生きたまま口に、喉まで突っ込むという、シンプルでありながら、効果があまりにも高いことから、レゴールらヴェリアートなどで貴族達が好んで行っていた拷問。どれほど強靱な肉体・精神の持ち主でも、この拷問には耐えられず、いかなる秘密でも吐き、また、信念を覆してしまったという。
参考文献
『生物種類別ことわざ辞典「グムーヴ」』(ディレル・アーティ)
『拷問に使われた生物』(ナーザ・ネルム)
『グムーヴより醜いと言われた男 ─ ザイド・ブラドゥーの激烈なる生涯』(ディール・アラリード)
類義・対義
対義:「餓死すれどもグムーヴは食えず」(パディア)