ミーリィ 獲物を苦しめずみーりぃ えものをくるしめず

誤解を晴らすこと。それまでの常識が間違いであったと証明されること。

生きたまま獲物を貪り食らうことで恐れられ、嫌悪されてきたミーリィだが、実は「恍毒」という、獲物に恍惚感を生み出す作用のある毒の存在が明らかにされ、実は獲物は苦しんでおらず、快感の中で捕食されていたということがわかった。

これを明らかにしたミーリィ研究者シーゼル・ユリークが、『生物種類別ことわざ辞典「ミーリィ」』(ディレル・アーティ)の書評の中で、既存のことわざはどれもミーリィの恐ろしさばかりが強調されていることを嘆き、冗談半分で新しいミーリィ像を示したことわざを作るべしと唱え、ミーリィことわざもどきを披露した。これがミーリィ愛好家の間でちょっとしたブームになり、その中で、「ミーリィ、獲物を苦しめず」が「誤解を晴らすこと」という意味で使うといいのではないかと、ディレル・アーティがこれを改訂時に掲載したことで、一般的にも使える言葉として認知されるようになった。


訳注

ミーリィ:群れで獲物を襲う水棲生物。背びれが鋭い刃状になっており、上から下に弧を描くように切りつける。そして、パクッとあいた傷口に、群れで一斉に飛び込んでいき、獲物の体内に生きたまま侵入して中から食い荒らすという恐るべき生態から、古代より人類に忌み嫌われてきた。実際にミーリィの犠牲となった人間の数はそれほど多くないとされているが、数は少なくともその死に様があまりにも壮絶であることから、犠牲となった者の身内などの憎悪は激しく、また、それを伝え聞いた人々もまた同様に、ミーリィを恐れ、嫌悪するようになる、などの悪循環がかつてはあった。そのため、ミーリィに関しては基本的に、ネガティヴな言葉や民話、神話などがほとんどである。


参考文献

『生物種類別ことわざ辞典「ミーリィ」』(ディレル・アーティ)


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