橋から協落はしからきょうらく

お互いに協力し合わないことで、共倒れしてしまうこと。

レムールに襲われた旅人二人が、崖で細い丸太橋を渡って逃げようとした時、片方がもう片方の旅人を押しやって先に渡ろうとし、押されたほうが、そうはさせるかと、後ろから引っ張ろうとして、共に崖から落ちて死んだという愚か者たちの民話(レヴァーク)が由来。

協力はしあわない癖に、落ちることだけは「協力」している、という皮肉が込められている。

ただし、「レムールに襲われちゃ仕方ないよな」と考える人も多かったためか、「無理もない」というニュアンスで用いる場合もある。文脈判断。


訳注

レムール:「野獣の王」と呼ばれる最大最強の捕食者で、古代より多くの神話や伝説、民話などでその強さを称えられてきた。個体数は非常に少ないが、遭遇すれば死は確実と言われ、「絶対の死」の象徴にもなっている。実際、レムールに滅ぼされた民族や村なども実在する。レムールには気品や気高さといったイメージもあり、王族や貴族の紋章などにもよく用いられてきた。


参考文献

『生物種類別ことわざ辞典「レムール」』(ディレル・アーティ)

『世界ことわざツッコミ詳解辞典』(リーダ・スピアン)


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