レルンの背中れるんのせなか

安全な場所、の意。

面白いことに、レルンが生息する場所ではおおむね、どこでも類似した表現がある。

「レルンの背中」に関する言葉は、「レルンのおかげであることに気付いていない」というニュアンスを含むことが多い。恐らく、レルンは非常に穏やかで扱いやすいことから、自分がレルンを従えている、と勘違いしてしまう愚かな人間が多かった事に由来するのだろう。


「レルンの背中」「レルンに乗る」を使った言葉の例

「レルンの背中で寝る」:心底、安心していること。安眠。(ナーディル)

「レルンの背中からヴァルードをからかう」:安全な場所から自分より優れた者、強者を侮辱すること。(ニール族)

「レルンの背中からレムンを従える」:自分に対してではなく、自分の親やその他のコネ、所属する組織に対して敬意を示されているだけなことに気付かないこと。(ザヴァール族)

「罵倒はレルンの背中から」:強者と一緒にいる時にだけ、強気になる者を軽蔑する言葉。(ガダカイ)

「レルンの背中から降ろされる」:権力者の庇護、寵愛を失うこと。(レゴール)

「レルンに乗りてヴァルード蹴散らす」:自分の力ではなく、他者の力を借りて敵を退けること。(レヴァーク)

「レルンに乗ってアルナディールと口論する」:強者の庇護の下で、本来なら対等に扱ってすらもらえない相手と戦うこと。(ルグディール族)


類義・対義

レルン:陸上最大級の草食性動物。良質の毛が採れるため、古代から飼育されてきた。レルンとレムンは、極めて緊密な共生関係にあることでよく知られている。レムンがレルンの幼獣の世話をしてやったりする代わりに、レムンがヴァルードなどの天敵に襲われると徹底的に戦うため、この関係に関連した神話や民話、ことわざなどが多い。信頼関係を築けば人間もレムンと同様に守ってくれるため、「守護者」とも呼ばれる。


参考文献

『生物種類別ことわざ辞典「レルン」』(ディレル・アーティ)


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