卵取って毒もらうたまごとってどくもらう

見た目に騙されるて侮るな、の意。

ルグディール族の言葉。実際には「卵を取る」を省略して「毒をもらっちまうぞ」「毒をもらわんようにな」とシンプルに言うことが多い。

これは、由来を知らないとまったく意味がわからない言葉であるが、生物に詳しい人であれば、「ルグディール」「毒」「見た目」でわかるかもしれない。「殺人鳥」として恐れられるルグディールドクヨウサイチョウが、この言葉の由来である。この小鳥を知っていれば、意味はすぐにわかる。


『毒使いの達人 ─ ルグディールドクヨウサイチョウ』(ペザ・イークルン)より一部抜粋

美しく可愛らしい小鳥である。眼の周りを紫と赤、緑の3本のラインが絡み合うように彩り、全身は紫がかった白。丸っこいふくふくの身体に柔らかな羽毛。誰が見ても可愛らしいとか美しいとか称賛する。が、現地では「殺人鳥」とか「毒使い」とか呼ばれている恐ろしい鳥である。

ヨウサイチョウが毒草やトゲのついた植物、尖った骨などを使って巣を要塞化する鳥であることは皆さんもよく御存知だろう。「ああそうか、このヨウサイチョウは要塞の素材として特に毒草を多く使うのだな。それは確かに怖いね」などと納得してもらっては困る。もちろんその通りなのだが、そのくらいで、あの危険な大陸、ルグディール大陸で暮らす勇猛な人々が、「殺人鳥」などと呼んで恐れたりはしない。

この可愛らしくも恐ろしい鳥は、毒草や毒のある実に刺して毒を付着させたトゲを、「武器」として使い、攻撃してくるのである。それも、ほぼ即死レベルの猛毒を使うので、この小鳥を怒らせ、攻撃されたら、かなりの確率で死に至ることになる。しかも、複数の毒を組み合わせるという、まさに「毒使い」としか言いようのない見事な、いや、恐ろしいことをするので、解毒剤を持ち歩いていてもあまり意味は無い。


参考文献

『毒使いの達人 ─ ルグディールドクヨウサイチョウ』(ペザ・イークルン)

『生物種類別ことわざ辞典「ヨウサイチョウ」』(ディレル・アーティ)


Facebooktwitterlinkedininstagramflickrfoursquaremail
同じタグの他のことわざ