舟に上がるまで騒ぐなふねにあがるまでさわぐな

危機の時こそ冷静に対処し、最後まで気を抜くなという戒め。

舟から転落し、舟の上に戻るまでは、騒ぐことでミーリィやレンディス、ボフリやヴァールなど、何を呼び寄せてしまうかわかったものではない、の意から。


訳注

ミーリィ:群れで獲物を襲う水棲生物。背びれが鋭い刃状になっており、上から下に弧を描くように切りつける。そして、パクッとあいた傷口に、群れで一斉に飛び込んでいき、獲物の体内に生きたまま侵入して中から食い荒らすという恐るべき生態から、古代より人類に忌み嫌われてきた。実際にミーリィの犠牲となった人間の数はそれほど多くないとされているが、数は少なくともその死に様があまりにも壮絶であることから、犠牲となった者の身内などの憎悪は激しく、また、それを伝え聞いた人々もまた同様に、ミーリィを恐れ、嫌悪するようになる、などの悪循環がかつてはあった。そのため、ミーリィに関しては基本的に、ネガティヴな言葉や民話、神話などがほとんどである。

レンディス:世界中の海に広く分布する、中型から大型の水棲肉食生物。最大種であるラヴェニールレンディスともなれば全長30m前後にもなり、ほとんど神獣扱いであるが、さすがにこれは例外としても、数mから10m前後の巨体で肉食のレンディスは、人類にとって重要な水産資源であると同時に、人間をも捕食する危険な生物としても恐れられてきた。

ボフリ:大型の水棲生物。肉食性で、ソウコウリディンなどを捕食する。巨大な牙が特徴的。非常に気性が荒く、古から漁師やダイバーに恐れられており、「気性が激しい」「凶暴」「乱暴」の代名詞的存在となっている。良くも悪くも「(性格や信念などが)変わらない」ということのたとえとして用いられることが多い。

ヴァール:肉食性の魚類。海水、淡水を問わず、世界中の様々な生息環境に適応しており、川でも沼でも湖でも海でも寒地でも熱地でもどこにでもいるため、「水さえあればヴァールはいる」と言われるほど。


参考文献

『生物種類別ことわざ辞典「ミーリィ」』(ディレル・アーティ)

『生物種類別ことわざ辞典「レンディス」』(ディレル・アーティ)

『生物種類別ことわざ辞典「ボフリ」』(ディレル・アーティ)

『生物種類別ことわざ辞典「ヴァール」』(ディレル・アーティ)


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