舞剣の軽きを嗤うまいけんの

物事の表面しか見られないこと。

舞剣はまるで非常に繊細な工芸品のようで、美しくはあるものの武器としては頼りなく見えるが、恐ろしいのはその遣い手のセレンディール人である、の意から。

「軽き」を「細き」や「薄き」と変えて用いることもある。


訳注

舞剣:一般に「舞剣」と言った場合、ラヴェニール文明時代の舞踏「リューズ」で使用される「人類が生み出した最も美しい物」とまで絶賛される美しい剣を指すことが多い。材料となる複数の金属や化学物質の配合および鍛造法、磨きなどの、複雑且つ精緻を極める工程により、微かな燐光を放ちながら見る角度によって繊細に変化する玄妙な色合いや高雅な質感、流麗且つ精巧な形状により、見る者を魅了する。

セレンディール人:ラヴェニール文明が「美の追究」の為に創り上げた、人間離れした美貌、身体能力などを持つ伝説的な人種。リューズという、セレンディール人にしか踊れないラヴェニール文明時代の舞踏芸術は、常軌を逸した訓練と予算によって神懸かり的な技芸の域に達し、観るものを魅了した。この舞踊は命懸けの実戦形式となっており、美の象徴であるセレンディール人の対照として、犯罪者や奴隷、平民を敵役として出演させた。その多くはほぼ確実に死に至ったが、もし演舞中に、セレンディール人の髪に触れることができれば、莫大な報奨金及び身分の昇格といった栄誉、犯罪者であれば恩赦が与えられた為、志願者は後を絶たなかったという。ラヴェニール文明の象徴的な存在。


参考文献

『武器言辞典』(レヴァーク武器博物館 / 編)


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