脳だけで泳ぐのうだけでおよぐ

強烈な怒り、憎悪、復讐心。

由来を知らずに言葉だけ聞いても絶対に意味がわからないことわざとして有名。

パディアシロリディンという、脳にそっくりな色、模様、形のリディンを題材とした、『ミーリィを憎むリディン』というパディアの神話・民話が由来。


『ミーリィを憎むリディン』あらすじ

ある仲の良い家族が、海で遊んでいる時に、ミーリィの群れに襲われ、生きたまま食い荒らされた。両親は愛する子供たちが生きながらに食われるのを見て、自らも食われながらも必死に子供たちを助けようとしたが、彼らが自分たちの命より大事に思っていた子供たちは、目の前で死んでいった。

両親は呪いの言葉を叫び、ミーリィ達を皆殺しにしてやるぞと絶叫した。

両親の凄まじい怒り、憎悪に怯えたミーリィ達は逃げ出したが、その時には両親はほとんど頭しか残っていなかった。だが、怒りと憎しみに満ちた彼らは、ミーリィへの復讐心だけを脳に残したままリディンになり、ミーリィを探し求め、見つけるたびに殺していくようになった。

だからリディンは今でも、ミーリィを狩るのである。


訳注

リディン:世界中の海や川、湖などに生息する、甲殻に覆われた身体を持つ水棲の捕食生物。1cmにも満たない種類から、3mを超える巨大な種までいる。最も繁栄しているグループの生物であり、確認されているだけでも3万種以上で、現代でも発見され続けており、10万種以上は確実視されている。身は美味で、古代より漁業の対象として非常に重要視されてきた。一般に下顎と思われている部分は、第一脚が変化したもの。

ミーリィ:群れで獲物を襲う水棲生物。背びれが鋭い刃状になっており、上から下に弧を描くように切りつける。そして、パクッとあいた傷口に、群れで一斉に飛び込んでいき、獲物の体内に生きたまま侵入して中から食い荒らすという恐るべき生態から、古代より人類に忌み嫌われてきた。実際にミーリィの犠牲となった人間の数はそれほど多くないとされているが、数は少なくともその死に様があまりにも壮絶であることから、犠牲となった者の身内などの憎悪は激しく、また、それを伝え聞いた人々もまた同様に、ミーリィを恐れ、嫌悪するようになる、などの悪循環がかつてはあった。そのため、ミーリィに関しては基本的に、ネガティヴな言葉や民話、神話などがほとんどである。


参考文献

『ミーリィを憎むリディン』(ミーズ・ペラグル)

『生物種類別ことわざ辞典「リディン」』(ディレル・アーティ)

『世界ことわざツッコミ詳解辞典』(リーダ・スピアン)


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