背中に乗せるせなかにのせる

能力や経済力などにおいて対等でない相手にも、見下したりせず、丁寧に応じること。

「背中に乗せてくれる人」と言えば、大きな器を持った人、の意になる。

本来は、「背中に乗せてくれるレルンに感謝せよ」というニール族の教育の言葉だったのが、省略され、変化したもの。

レゴールやヴェリアートなどでも全く同じ言葉が使われていたが、意味はまったく異なり、「お人好し」の意で用いられた。それも、あまり頭の良くない人が、騙されていることにも気付かない、という小馬鹿にしたニュアンスとしてである。セレンディール文明以前では、人類の多くがレルンに限らず、他種生物を見下していたことがよく伝わる例として引用されることが多い。


訳注

レルン:陸上最大級の草食性動物。良質の毛が採れるため、古代から飼育されてきた。レルンとレムンは、極めて緊密な共生関係にあることでよく知られている。レムンがレルンの幼獣の世話をしてやったりする代わりに、レムンがヴァルードなどの天敵に襲われると徹底的に戦うため、この関係に関連した神話や民話、ことわざなどが多い。信頼関係を築けば人間もレムンと同様に守ってくれるため、「守護者」とも呼ばれる。


参考文献

『生物種類別ことわざ辞典「レルン」』(ディレル・アーティ)

『ジーヴァルみたいな奴 ─ 生物観の変遷と言葉の関係』(ディレル・アーティ)


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