急いても酒は出来ぬせいてもさけはできぬ

時間をかけるべきことには時間をかけよ、の意。

急がずにじっくり取り組むべきことを伝える際によく用いられる言葉。

この「酒」とは、シュゾウムシに造らせる「虫酒」のこと。虫酒は、「黙して名酒」という、有能な者には口を出さず、思うように仕事をさせたほうが良いという言葉があるように、シュゾウムシたちに任せるしかなく、急がせることなどはできない、の意から。


訳注

シュゾウムシ:名の通り、酒を造る虫。種によっては、木にあけた穴だったり、土をこねて作った「壺」だったりと「酒造場」は変異があるが、花の蜜または果物を集めて発酵させ、酒を造る、という点ではどのシュゾウムシも同じ。このシュゾウムシを利用して酒を生産する産業も古代から受け継がれてきており、特にロバキアが有名。ロバキア産の「虫蜜酒」は最高級品としてレゴールやヴェリアート、ティルトレーズなど世界各地の貴族達の食卓には必ず用意されていた。


参考文献

『生物種類別ことわざ辞典「シュゾウムシ」』(ディレル・アーティ)


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