ルーレイ・ラナディーレリーの提言るーれい・らなでぃーれりーのていげん

価値感の転換。

ルーレイ・ラナディーレリーは、ラヴェニール文明時代の伝説的な王。ラヴェニール文明が、芸術や工芸その他、美に関して技術的にはもはやこれ以上はほとんど成長の余地が無い、という限界に近いところまで到達し、停滞期に入っていた時代に生まれた。

そして、彼は絵や彫刻、物語などの「作り手側の技術レベル」ではなく、「対象となる側の美のレベル」を上げてゆけばよい、という恐ろしい考え(元からラヴェニール文明にはそういう傾向はあったが)を徹底的に推し進めた。どういうことかというと、例えば「絵画(人物画)」であれば、画家側の技術レベルはすでにこれ以上、上げようがないほどのレベルに達している。だから、「絵に描かれる対象を美しくすればよい」と考えた。つまり、「より美しい人間を作っていこう」と考え、それを実行していった。その結果、生まれたのがセレンディール人である。


訳注

セレンディール人は、ラヴェニール文明が「美の追究」の為に創り上げた、人間離れした美貌、身体能力などを持つ伝説的な人種。リューズという、セレンディール人にしか踊れないラヴェニール文明時代の舞踏芸術は、常軌を逸した訓練と予算によって神懸かり的なレベルに達し、観るものを魅了した。


参考文献

『忌まわしきはリューレリーならず』(エリル・イーレア)

『狂王記』(作者不詳)


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