ボフリの背に乗るぼふりのせにのる

勇敢なこと。困難なことをやり遂げること。

レクール族の通過儀礼「ボフリ乗り」が由来。ヴェリアートの文化人類学者キール・レヴィルクが紹介したことで、広く知られる言葉になった。


訳注

ボフリ:大型の水棲生物。肉食性で、ソウコウリディンなどを捕食する。巨大な牙が特徴的。非常に気性が荒く、古から漁師やダイバーに恐れられており、「気性が激しい」「凶暴」「乱暴」の代名詞的存在となっている。良くも悪くも「(性格や信念などが)変わらない」ということのたとえとして用いられることが多い。

ボフリ乗り:レクール族などの、ラディール大陸の海洋民族(複数の部族が同様の儀式を行っており、合同で行うところもある)による、古代から続く通過儀礼。その名の通り、成人になったことを証明する為に、柵の中にいるボフリの背中に乗り、脱出する。一定時間、乗っていなくてはならない、ということはなく、とにかく、一瞬でも、確かに乗った、と確認出来ればよい(背中に乗った瞬間に、「成功」とみなされる)。それでも、死者、負傷者が続出する非常に危険な儀礼である。

キール・レヴィルク:ヴェリアートの文化人類学者、写真家、料理人。専攻は、ラディール大陸の海洋民族の儀式。レクール族を主なフィールドワークの拠点とし、周辺の部族についても調査をした。自分を親のように慕って助手にもなってくれていたレクール族の青年をボフリ乗りで喪ったことから、ボフリ乗りという儀式を専門として研究するようになった。ボフリ乗りに挑戦した人々3000人以上へのインタビュー集『通過儀礼を終えて ─ ボフリ乗りをやり遂げた勇者たちの言葉』でヴィーレ・クレグディール賞を受賞、ボフリ乗りやレクール族のファッション、料理などの記録に対して、リーネイク賞受賞。


参考文献

『通過儀礼を終えて ─ ボフリ乗りをやり遂げた勇者たちの言葉』(キール・レヴィルク)

『ボフリ乗り』(キール・レヴィルク)

『ヴィーレ・クレグディール賞受賞者・作品事典』(レゴール中央図書館)

『生物種類別ことわざ辞典「ボフリ」』(ディレル・アーティ)


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