クルムに衣装自慢くるむにいしょうじまん

意見や行動が的外れであることを指摘する言葉。ただし、そう思うのも無理は無いが、という文脈で用いる。

クルムにとっては、「クルムトゲ」と呼ばれる尾びれのすぐ前にある大きなトゲこそが重要であり、トゲが立派であるほど、他の雄や雌たちに一目置かれる。そのクルムに衣装自慢などしても意味が無い。クルムを感心させたいのならば、立派なトゲを見せねばならない、ということから。

実際、「ユビトゲ」という、クルムトゲを模した、トゲを付けた指輪を装着してクルムの前にそのトゲを差し出すと、感心したかのようにトゲを前ヒレでなでてきたり、じっとみつめてきたりと強い関心を示す。

クルム類には、身体の模様や色が美しい種が多いため、人間から見るとトゲより身体の模様のほうが、重要で価値のあるものに感じられる、ということが、「そう思うのも無理は無いが」という意味合いを含ませている要因であると考えられている。


訳注

クルム:小型の水棲生物。尾びれの前にある大きなトゲ(クルムトゲ)が特徴。丸っこい体型につぶらな瞳、性質は穏やかで知性も高く、好奇心旺盛で人にもよく馴れる上に、種ごとに非常にバリエーション豊かな模様・色彩を持つため、古代から親しまれてきた。熱烈な愛好家が多く、「クルムの集い」なる世界的なクルム愛好組織があるほど。


参考文献

『生物種類別ことわざ辞典「クルム」』(ディレル・アーティ)

『クルムに遊んでもらえるようになる本』(リルカ・アルール)


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